インディーズながら着実に多くの人を魅了し続けているロックバンド、イツエ。
【「今夜絶対」】はミニアルバムという触れ込みだが、イントロ抜かして8曲もある。
時に切なく、時にギラギラして、テーマという「夜」を様々な角度で描いている。

従来のイツエというと、荘厳で圧倒的な世界観で包み込む感じがしたけど、ポップさを帯びて寄り添うような温もりがある。
ライブで、以前の仰々しい衣装から、少しカジュアルな感じの衣装になったことも、その変化を示唆してたのかもしれない。
それでも、バンドサウンドとみずきさんの圧巻の女声ボーカルの絡みは健在で、イツエらしい深淵は確実にある。
そして、みずきさんのボーカルが多彩。

ただ、このアルバム、イントロ抜かした1,2曲目「告白」から「ネモフィラ」の流れが素晴らしすぎて、個人的にはここがハイライトになってしまった。
他の曲が弱いわけじゃないし、この曲順は一番なのだろうけど、余りにも素晴らしすぎた。

「螺旋」や「10番目の月」というギラギラゾーン？も新しいイツエが聴けて、ロックバンドらしいかっこよさがある。
「グッドナイト」のリズミカルな、サビのキャッチーさも最高。

ただやっぱ、最初の「告白」と「ネモフィラ」。
二つで一曲を形作るような流れがすごい。
胸に迫るものがある。
一通りアルバムを聴いて、そのままループで二週目に入って頭から聴くと尚良い。

ほんと、イツエは良い意味で軽くなったと思う。
以前の鬼気迫る感じも好きだけど、その世界観がより際立つと言うか、楽しめるようになった。
イツエというバンドを表す上でコントラストが出来るのは、聴き手にとっても優しい。

とにかく、おすすめの一枚です。