9mm Parabellum Bullet / Dawning[おすすめ邦楽ロックレビュー・感想]





結成9周年を迎えた9mm Parabellum Bullet
もう日本を代表するロックバンド。安心しておすすめできる。
彼らの5枚目となるフルアルバム「Dawning」
9mmがすごいのは、「日本語ロック」をこれ以上ないほど、日本的にそれでいてオルタナティブに作り上げているところ。まさにthe邦楽ロックではあるけれど、世界に伝えたい。
ただ、最近の9mmはかっこよすぎるなと思っていた。
個人的には「歌謡ロック」って形容されているような9mmが好きだった。
歌詞のダサさ、滝さんのギターの音のチープ感が、何故か爆発的にカッコよくなるっていう感じ。
「Dawning」に先立ってリリースされた「ハートに火をつけて」とか「Answer&Answer」とかかっこよすぎて
もっとダサい感じがほしいなと思ってたら、「Dawning」の中にはしっかりとダサカッコいい曲もあって安心。

最初の四曲の疾走感がたまらない。
the telephonesの「OH」が聞えるGrasshopperとかやばい。
「シベリアンバード 〜涙の渡り鳥〜」はまさにダサかっこいい!
タイトルからしてださい!!
でも何故、これがかっこよくなるんだ!?
9mmじゃなきゃ魅せられない、謎のおすすめの一曲。
「コスモス」のようなミディアムなナンバーも良いね。
きらめくようなギターの音がいい。
9mmのジャンルレスさ?というか、幅広さが象徴されている。
1st「Termination」の中の「バタフライ・エフェクト」っぽい。
こういった曲が入ったのは久しぶりな気がする。
一人称が「私」の曲はすごく雰囲気あるんだよなー。
そして、今回のアルバムで一番好きなのが「Starlight」
新しいんだけど、1st「Termination」の中に入っていても違和感ない。
決してライブで暴れるような曲ではない。
この曲の何が素晴らしいってボーカルの菅原卓郎さんの声ですよ。
あの鼻声かかった特徴的な声が存分に生かされてる良曲。
「孤独な夜を照らしておくれ 孤独な星を照らしておくれ」のところの歌い方がたまらない。
じわーーーーーっとくる。
儚さを表現した演奏もすごい。
轟音でポイント作るわけではなく、技術と音で世界観に引き込んでくる。
暴れるだけじゃない9mmの凄さが詰まっている。
最後の
「You’re my eyes,shine on me. You’re my starlight,shine on me.」
の部分は鳥肌もの。
ここで音の区切れる日本語ではなく、音が流れるようにつながる英語をもってきたのが最高。
ベースの中村和彦さん作曲の「Caution!!」、かっこいい!
ヘビーな音がたまらない。
そしてリードトラック「黒い森の旅人」
「Movement」の「銀世界」に少し通じる世界観
ギターの激しさと歌詞の無情さがいいコントラスト

最後を締めるのは「The Silence」
楽器の轟音がテクニカルで、なぜかヤケクソ感があって、やばい。
世紀末的な雰囲気もあって、最後を締めるのにふさわしい一曲

何だかんだ、9mmらしさが詰まっている一枚。
もうちょっと少なめの曲数でまとめてほしかった気もするが、
それだけ、今の9mmがたっぷりと納められた、おすすめの一枚!!

Tags: ,