Behind The Scene/ ストレイテナー [おすすめ邦楽ロックレビュー・感想]


邦楽ロック=ストレイテナーといっていいくらい、日本のロックを体現しているロックバンドだと個人的には思ってる。
そのおすすめのロックバンド、ストレイテナーの最新アルバムが「Behind The Scene」
ストレイテナーのロックが突き抜けている感じがする傑作。
特にエモさが全体を覆っている気がする。
絶望の淵に立たされてもなお、ロックであろうとする姿勢が見える。
とは言え、テナーのポップさが散りばめられており、かなり聴きやすかった。

「Asshole New World」はアイドルのタイトルである「Behind The Scene」という歌詞が痛快。
ギターの音がストレイテナーらしく、このまま激しく突っ走るのかという感じ。

ただ、その後の「The World record」「冬の太陽」というシングル音源としてリリースされたロックが落ち着きをもたらす。
「The World record」の新感覚、冷静に燃える感じと「冬の太陽」のストレイテナーらしさが最高。


そして「彩雲」
このアルバムのハイライトに挙げる人は多いのではないだろうか。
エモいってこれだよなって感じる。
夕焼けの美しさと切なさを、ホリエさんの美声が歌い上げる。
悲しげなメロディーの中に希望があるような、邦楽ロックの王道。

このアルバムで肝になっているのがシングル曲「Super Magical Illusion」だ思う。
ゆったりして、エモさがMAXになったところで、放たれるこの曲の爽快さを伴った疾走感が半端ない。
一人で部屋で聞いてたら腕を挙げてしまう。
アルバムを通して聴いた時に、かっこよさが際立つ。

その流れを「Breaking Ground」が引き継ぐかと思いきや、発散するより内に秘めるようなロックで、これがまたかっこいい。「Yeti」の不敵なイントロがかっこいい。少し90年代を思わせるようなレトロさがある。サビの入り方がやばいし、サビ、かっこいい。
とにかくかっこいいテナーが聴けるアルバムだ。

この王道を貫くアルバムにおいて、実験的要素が一番強い曲が最後を締める「78-0」
ハイエイタスっぽくもあって、無機質で寒く、でもテナーらしいエモさがある。
これで終わるスケールのでかさが頼もしい。
大好きな曲です。

テナーらしい「音像」が全開だけど、それでも完全に予想通りとはいかない。
何周でも聴ける、楽しいロックな一枚です。
おすすめ。

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