65デイズオブスタティック(65daysofstatic) / WILD LIGHT[おすすめ洋楽ロックレビュー・感想]


イギリスのポストロックバンド、

 

 
ギターの轟音にドラムのフレーズを崩したブレイクビーツ、そして美しくも冷酷なピアノの音。
レディオヘッドやミューズを生んだ国、イギリスが放つ究極のロックバンド。
洋楽となるけど、インストバンドであり、またかなり先進的なロックをやっているので、
邦楽しか聴かないという方でも、ポストロックに抵抗がなければぜひ聴いてほしい。

 
65daysofstaticの新作「WILD LIGHT」の日本版がリリース。
前作(→65デイズオブスタティック(65daysofstatic) / We Were Exploding Anyway[おすすめ洋楽ロックレビュー・感想])に引き続いて、ブレイクビーツや、ノイズ、鋭いシンセサイザー、バッキバキな電子音が特徴的で、それとバンドサウンドと組み合わさって超絶かっこいい。
それでいて、前作よりシンプルになってすっきりした印象。
最先端の今まで聴いたことないような、音楽世界が広がる。
轟音というような感じは薄れたけど、その分、深みが増してクラシックにも通じるものがある。

 
リードトラックの「Prisms」がもう本当におすすめ。
このセンスよ!
エレクトロなビートとシンセサイザーのノイズが無機質に組み合わさり、
それがきれいなギターの音に徐々に支配され、テンポも上がっていく様は本当に高まる。
電子音とバンドの融合の答えの一つとも言うべき、最強にかっこいい一曲。
音を機械で表現したようなPVもやばい。集中して見るのがおすすめ。

 
「The Undertow」は冷たいピアノの音が緊迫感を演出する。
「Blackspots」は、ダークなベースの音が心地よく、静と動のコントラストが癖になる。
7.5分にもなる長編だが、飽きることはない。
終盤の音が重なっていく展開は、光が見えてくるようで鳥肌もの。

 

 

「Taipei」はドラムの音とピアノの旋律がおしゃれ。
そして、どことなくもの悲しい雰囲気がある。
ギターの音、メロディーがなんとなく中華伝統音楽に似ていて、でも最先端で。
「Taipei」というタイトルがしっくりくる。
雨の日の台湾の風景が思い出される。

 

「Unmake The Wild Light」のクライマックス感は異常。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、ここから続く無限の広がりを連想させる。
終盤のバンドサウンドをかき消すように広がるノイズがかっこいい。

 

「Destructivist」は日本版限定トラック。
この曲のために日本版を買う価値がある。
いきなり変調する曲展開は予測不可能。
ゆっくり始まったかと思えば、いきなり音が増えてテンポが上がる。
日本人が好むようなエモロック的なノリもあり、日本版だけにいれた理由が分かる。
かなりおすすめの洋楽ポストロックアルバムだった。
女性のアナウンスの声が入るのは、ミューズの作品にもあったけどイギリスで流行ってんのかな。
しかし、すごい音楽だわ。
音楽は無限。
本当におすすめ。
ぜひ、きいてほしい。

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